Greeting
会長挨拶


R8年度 会長
熊 野 皓 太
この度、砺波商工会議所青年部(以下、砺波YEG)第61代会長を務めさせていただくことになりました。創立60周年という大きな節目の年にこの役目をお預かりすることに、身の引き締まる思いです。これまで築き上げてこられた60年の歩みに感謝し、その歴史をしっかりと胸に刻みながら、次の時代へ向けた新たな一歩となる一年にして参ります。
私たちの砺波市は、散居村に象徴される美しい風景が広がり、まじめで粘り強く、工夫を重ねる人が多い誇れる地域です。その一方で、人口減少や高齢化、若者の流出、事業承継といった課題に加え、大型店や近隣市町への消費の流出、車社会ゆえに消費が広域化しやすいという現実があります。その結果、地域内での経済循環が弱まり、地域全体の活力を保つことが難しくなっています。しかし、砺波には誠実で堅実な経営者が多く、地道に努力を重ねてきた企業が多くあります。それこそが、この地域の大きな誇りであり、強みです。この強みを活かすことで、課題に立ち向かい、地域をより魅力的にしていく可能性があります。この堅実さは、誇れる一方で大きな変革や大胆な挑戦には踏み出しづらい気質もあるのではないでしょうか。創意工夫はできる。しかし、もう一段踏み込む大胆な一歩が出にくい。挑戦となると慎重になり、様子を見る。そんな地域の空気を私は日々感じています。
このままでは挑戦する企業は増えず、新しい価値や魅力的な仕事も生まれにくくなります。そして若者がこの街で未来を描きづらくなり、地域経済の活力も次第に失われることになります。だからこそ今、砺波YEGの役割があると考えます。私たちが目指すのは、挑戦が当たり前になる未来です。そのために砺波YEGは、挑戦する経営者の集まりとなり、その姿を地域に広げていきます。勢いだけではなく、互いに学び合い、高め合う組織であること。「やってみよう」と言える人を増やし、「やってみたらいい」と背中を押せる仲間であること。そんな空気をつくることが、私たちの役目です。
また、若い世代が「この街が好きだ」「この街で働きたい」「この人たちのようになりたい」と思える地域でありたい。そのために、一生懸命に仕事に向き合い、学び続け、悩みながらも挑戦する経営者の姿を示します。それが地域経済の希望につながると信じています。
さらに、地域で生まれた仕事や経験、技術や知恵を地域の中で活かし、次の世代や仲間につなげていきます。そのためには、会員また会員企業のことを知り、尊敬し、愛着を持つことが大切です。この「知り、尊敬し、愛着が生まれ、行動する」連鎖が、会員同士の結びつきを強め、地域で培われた技術や取り組み、経験を循環させ、地域の活力につながります。ALL砺波YEG。役職に関係なく一人ひとりが主役です。同じ方向を向き、同じ未来を見つめましょう。
私自身の青年部活動は決して順風満帆ではありませんでした。失敗や挫折を経験し、青年部を一時期離れたこともあります。地元に戻ってきた当時は仕事に追われ、「自分には無理だ」と挑戦する前から決めつけていました。地域や仲間よりも自分を優先し、うまくいかない現実からどこか逃げていたのも事実です。逃げれば逃げるほど苦しさは増していきました。そんな私を変えてくれたのは、挑戦する仲間の姿と、「失敗を怖がらんと、好きなことをやってみられ。それが青年部やちゃ。」という言葉でした。失敗してもいい。壁にぶつかってもいい。そこから学び、また前へ進めばいい。その気づきが、再び前へ進む勇気をくれました。不安を恐れず踏み出す“勇気”。実現したい未来を思い描く“情熱”。この二つに突き動かされて行動することが、今の私と自社を支える揺るぎない原動力となっています。そして、この想いを砺波YEG全体に広げたい。そのために、今年度のスローガンを「新~勇気と情熱を持って未来への一歩を踏み出そう~」と掲げました。
「新」には、守るだけではなく挑戦し続け、組織を更新していく想いを込めました。60年の伝統を未来へつないでいくには、現状に満足せず挑戦を重ね、失敗を恐れず新たな一歩を踏み出すことが必要です。困難に直面しても学び、また挑戦する。その勇気と情熱の連鎖が、砺波YEG全体に新たな可能性を生み、地域に広がっていくと確信しています。
昭和41年4月9日、砺波YEGは全国で13番目の青年部として創立されました。先輩方が築いてこられた60年は、挑戦と努力の歴史です。還暦にあたる今年は、受け継がれてきた想いを胸に、新たな挑戦を重ねる年でもあります。時代の変化とともに地域とのふれあいや関わりが薄れてきている今だからこそ、改めて自覚しなければなりません。私たち会員一人ひとりは、地域の皆様の温かいご支援があるからこそ、今日まで商売を続けてくることができました。地域に生かされている存在であることを胸に刻みます。だからこそ60周年の節目の今年、これまで支えてくださった先輩方や地域の皆様への感謝を形にする年にしたいと考えます。
私たち会員が地域に足を運び、60周年記念大会を通して感謝を伝え、未来への希望を共有します。会員同士で互いに高め合い、YEGとして地域に信頼される存在をつくります。さらに、地域の課題に挑み、新しい価値を生み出すことで、地域が活力と魅力を取り戻し、次の世代へ希望をつなぎます。
私たちは問われています。挑戦する仲間の背中を押せているか。若者に誇れる姿を見せられているか。地域の未来につなげられているか。地域の未来は、待っていても変わりません。変えるのは、挑戦する私たち自身です。言葉ではなく「行動」で応えていきましょう。勇気と情熱を持って、新たな一歩を踏み出す。未来は、私たちの手で切り拓く。これが今年度の砺波YEGの決意です。


